とある歯科医院のHPに「一生涯のおつきあい」と書いてあった。
う~む...これはどういう意味なのだろう?
「ウチは一生続けて通える歯科医院ですよ」なのだろうか?
しかし、この歯科医院は訪問診療をしていない。患者さんが通えなくなったらどうするのだろう?紹介?それでは「一生涯のおつきあい」じゃないよなぁ...
「一生涯のおつきあいをしてね♡」なのだろうか?寝たきりにならないようにするのはアナタの問題で、ウチは関係ないと?
まぁいい。
自分の診療所でも全員の患者さんを診られるわけではない。がんの手術はできないし、検査値見て歯を抜くだけでも命に関わりそうな患者さんは、ちゃんとフォローできる状態で抜歯してくれる病院なりを紹介している。
で、この「紹介する」ということが大事。
年に数人だが他の歯科医院で「ウチでは診れません」「これ以上はできません」「ウチはインプラントやってません」等々言われて「他に行ってください」って言われたという患者さんがやってくる。先に書いたようにウチの歯科医院でもなんでも出来るわけではないのだが、診れない場合は、できる所を紹介する。
紹介できないって事は人脈と情報がないってことだ。治療であれば治療できる所を紹介し、ケアであれば介護できる所を紹介し、認知症やパーキンソンなどの症状があると感じたら包括支援センターや医師に連絡する。それには連携が必須である。歯科医院を選ぶ際には「他職種との連携ができているか」をしっかりチェックしていただきたい。
「一生涯」なんて言葉を使うってことは高齢化が進んでいるのだなぁとしみじみ思う。高齢者がマイノリティの時代ではない、10年もすれば高齢者を基準に物事を考える時代になると思う。「少子高齢化」「高齢化対策」なんて言葉をもう長く言われているが、高齢化社会なんて後30年もすれば終わる。私は後30年も歯医者をやっていないと思うので構わないが、政治家の方々には「その後」まで含めて考えて欲しいと思う。